火薬御飯

Category :  ミリタリー
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「毎日B29や艦上爆撃機、戦闘機などが縦横無尽に大きな音を立てて 朝から
晩まで飛び周っています。この手紙を書きながら、頭を上げて外を見るだけで、
何機大きいのが通ったのかわかりません。B29は残念ながら立派です。」  
                                (昭和天皇妃 香淳皇后)

子供の頃から 古老達に聞かされ続けた昔話のような存在。ただ、今ほど
情報が溢れていなかったので、実機の形を知ったのはAIRFIXのプラモデル。
Boeing_B-29.jpg
更には松本零士の漫画等の影響もあって既に偶像化されてしまい、実態を
冷静に見ることが難しいが、母国では評価の高い名機に違いない。ロバート・
マクナマラの進言
により 対日戦に大量投入されたが、中国の成都基地から
運用
されていた頃は、護衛戦闘機が付かなかったため、被害も大きかった。
その真価を発揮したのは、昭和19年末マリアナ諸島が基地となり、カーチス
・ルメイ
が指揮を執って以降の事。屡々「高度一万メートル…」と云われるが、
高度一万メートルを夜間、灯火を消して飛行する爆撃機を地上から目視する
ことはできない。初期の高高度爆撃は、ジェット気流の影響で失敗。低空で
焼夷弾による十字爆撃という本来の用兵から外れた戦術で真価を発揮する。
日本軍の高射砲は所謂タ弾の信管の炸裂高度を誤っていたため、ほとんど
命中しなかった。B29の空襲は、戦果以上に 大きな心理的ダメージを与えた。

戦後 B29はベルリン封鎖に対する空輸作戦の他、朝鮮戦争や一部は台湾
にも展開し中国本土への爆撃にも使われた。この間を含め現在に至るまで、
実戦で核兵器を運用した唯一の航空機として歴史にその名を残す事となる。
カーチス・ルメイは戦後、戦略空軍の司令官に昇進、XB70バルキリー計画
にも携わった。結局XB70は実用化されなかったが、旧ソ連はその驚異から
MIG25の開発を急ぐ事となった。そしてそのMIG25が再度日米を震撼させる

B29はケベック会談の結果、対日戦専用に当てられていた。そのためか
欧州で大戦を通じて運用されたB17等に比べ、映画等への登場は少ない。
その一つがThe Right Stuff イエーガーの乗るX-1の母機として登場する。
NASA B29  Bell X-1
B29は迷彩等の塗装をほとんど施していない。既に必要性が薄かったこと
に加え、塗装の手間と重量の軽減にもなっていた。NASA所有のB29が下
側を黒く塗装しているのは、防眩性のためと思われる。X-1の懸吊方法は
B29の爆弾槽付近を切り欠き、胴体に半埋め込み式で搭載する。これは
一式陸攻に桜花を搭載するのと同じ方法で、搭乗も同じ方法で行われる。

B29は 兵器としてはシンプルで堅実に作られた優れた工業製品に違いない。
その高性能を支えていたのは、排気タービン過給機や、戦時中の日本では
極度に欠乏していた高純度の金属材料とその製法など、現在では我が国の
御家芸になっている技術が大半を占める。ある意味、日本の戦後の復興は、
この飛行機を目の敵にしながら、成されたとも云える。 少なくとも工業製品
とは常にそういう物だ。それらが軍拡でなく 民需による”報復”になっている。
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